【便秘症について】 その4
便秘症について最終回(その4)となります。
今までは、便秘症についてお話をしてきましたが、その4では、診察とお薬・改善方法についてお話をしていきます。
【診察】
便秘の患者さんを診察する場合はまずお話しを聞いてどのようなタイプの便秘かを考えます。
また、肛門指診をして直腸に便が到達しているかを診察します。便秘に伴う肛門病変の有無も観察します。
直腸肛門部の筋肉や機能の異常を疑う場合には肛門内圧検査(肛門の筋肉の収縮状態や肛門の感覚検査)や排便造影検査(どのように直腸や肛門が動いて排便につながるか)を調べます。
治療のゴールは、バナナ状の硬くも軟らかくもない便がスムーズに出ることです。
【便秘の時の薬】
刺激性下剤(センナや大黄など)は、基本的に使用しないようにします。クセになってしまい、使用しないと便が出ないようになります。
非刺激性下剤(酸化マグネシウムをはじめとしてたくさんの種類があります)を使用し、便の状態などによって種類や量を調節します。
基礎疾患の有無によっても使用する薬は変わります。腸が動きにくいときには腸管蠕動を促す薬を使用します。
【便秘の予防について】
(食生活をはじめとした生活環境を整える)
便秘予防のためには、以下のような生活習慣を心掛けることが重要です。
- バランスの取れた食事
食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂りましょう。繊維質は腸内の通過時間を短縮し、便の量と柔らかさを増やします。
- 適度な運動
適度な運動は腸の動きを活発にし、便秘の予防に役立ちます。ウォーキングやジョギング、などの適度な運動を日常生活に取り入れましょう。
- ストレスの軽減
ストレスは腸の働きに影響を与えます。趣味などを持つことによりストレスを発散(軽減)することも、大切な便秘予防と言えます。
- 充分な水分摂取
水分不足は便を硬くし、排便を困難にする原因となります。カフェインの入っていない水分(水、麦茶、ルイボスティーなど)を
1日に1.5~2リットルを目安に飲みましょう。水分(水、麦茶、ルイボスティーなど)を十分に摂ることは、便秘予防に効果的です
ただし、一気にたくさん飲むと尿に排泄されてしまうので、複数回にわけてこまめに飲むようにしましょう。
以上で便秘症についてのお話は終了となります。生活習慣の見直しは、便秘予防(改善)の第一歩です。
無理せず自分のペースで始めましょう。
院長 宮島 伸宜