第3回 裂肛(切れ痔)について その2 治療/予防について
今回も引継ぎ裂肛(切れ痔)についてお話をしていきます。
今回は、治療と予防についてお話をしていきます。
【治療】
裂肛(切れ痔)の治療は、排便のコントロールが一番大切です。
便秘はもちろんのこと、下痢でも裂肛は起こります。裂肛(切れ痔)は生活習慣病の一種と考えて正しい排便を心がけましょう。
- 規則正しい生活
毎朝決まった時間に起きる、時間に余裕を持つ、適度な運動をするなど、生活習慣を改善しましょう。
- 朝食を摂る
朝食を摂ることで反射がおこり腸が動き始めます。排便習慣を整えるためには朝の習慣の改善が大切です。
- 食事に気をつける
食物繊維を積極的に摂取しましょう。発酵食品も排便には有効です。
当院の栄養科ブログでも食物繊維が積極的に摂取できるレシピを公開しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。
(松島病院 栄養科ブログ)
https://www.matsushima-hp.or.jp/mt/eiyoka/
- 水分を十分に摂りましょう
水分が足りないと便は硬くなります。夏は暑いため脱水になりやすいのはご理解いただけるのですが、冬は湿度が低いため水分が身体から奪われます。
また、軟便剤は身体に水分が足りないと効果が十分に発揮されません。
カフェインの入っていない水分(水、麦茶、ルイボスティーなど)を一日1.5〜2リットル以上飲みましょう。
ただし、一気にたくさんの水を飲むと尿になって排泄されてしまうので、こまめに少量ずつ飲むことがポイントです。
【治療(薬剤療法)】
生活習慣を改善した上で軟便剤、整腸剤、軟膏などを使用して裂肛の治療を行います。
【治療(手術)】
肛門の伸展が悪くなったり肛門が狭くなったりした場合は、保存療法では改善が難しいので手術で肛門を広げることが必要になります。
以上で裂肛(切れ痔)のお話は終了となります。
規則正しい生活・排便習慣は、生活習慣病の予防からおしりの病気予防にもなります。
少しでもおしりに違和感を感じたら、専門の医療機関を受診しましょう。
院長 宮島 伸宜