【便秘症について】 その2
前回の「便秘症その1」で、便秘症の状態についてお話をしました。
まだその1をご覧になっていない方のために前回の復習です。
〇便秘の状態
便秘の状態には便が①「少ない」、②「運ばれない」、③「出せない」、④「出さない」の4種類があります。
今回は、①「便が少ない」、②「便が運ばれない」状態についてお話をしていきます。
① 便が少ない状態
高齢者の方や、過度なダイエットによって食事する量が減ってしまうと、そもそも便が少なくなってしまいます。
さらに、朝食を抜くと実は便秘が慢性化してしまうことがあります。
まずは、食事をしっかり摂取することが一番の便秘解消の第1歩です。
また、水分不足も便を少なくする原因の一つです。
体内の水分が不足すると、便が硬くなり、排出が困難になります。適度な水分補給が重要です。
さらに、食物繊維の摂取が不足している場合も便秘につながります。
野菜、果物、全粒粉などを積極的に食事に取り入れることが推奨されます。
当院の栄養科のブログでも、便秘解消に役立つレシピを紹介していますので、是非参考にしてみて下さい。
松島病院 栄養科ブログ
https://www.matsushima-hp.or.jp/mt/eiyoka/
② 便が運ばれない状態
(蠕動運動の低下)
腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)の低下が原因となることが多いです。
つまり、腸が正常に動かず、便がうまく運ばれない状態です。
これには、運動不足やストレス、または慢性疾患が影響することがあります。特に高齢者や寝たきりの方に多く見られます。
この状態を改善するには、適度な運動が推奨されます。
また、ストレス管理も大切です。リラックスする時間を持つことや、趣味に没頭することでストレスを軽減できるでしょう。
また、パーキンソン病、女性ホルモンの服用、その他の腸の動きを抑えるような薬で腸の運動が阻害されます。
このような状態では、便を軟らかくするような薬だけでは効果が薄いことがあります。
そのため、ついつい下剤(刺激性下剤)に頼りがちになりますが、腸の運動を促進するような薬が必要です。(詳しくはその4でご説明をします)
院長 宮島 伸宜