2025.02.25

by 院長

【便秘症について】 その2

前回の「便秘症その1」で、便秘症の状態についてお話をしました。

まだその1をご覧になっていない方のために前回の復習です。

〇便秘の状態

便秘の状態には便が①「少ない」、②「運ばれない」、③「出せない」、④「出さない」の4種類があります。

今回は、①「便が少ない」、②「便が運ばれない」状態についてお話をしていきます。

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① 便が少ない状態

高齢者の方や、過度なダイエットによって食事する量が減ってしまうと、そもそも便が少なくなってしまいます。

さらに、朝食を抜くと実は便秘が慢性化してしまうことがあります。

まずは、食事をしっかり摂取することが一番の便秘解消の第1歩です。

また、水分不足も便を少なくする原因の一つです。

体内の水分が不足すると、便が硬くなり、排出が困難になります。適度な水分補給が重要です。

さらに、食物繊維の摂取が不足している場合も便秘につながります。

野菜、果物、全粒粉などを積極的に食事に取り入れることが推奨されます。

当院の栄養科のブログでも、便秘解消に役立つレシピを紹介していますので、是非参考にしてみて下さい。

 

松島病院 栄養科ブログ

https://www.matsushima-hp.or.jp/mt/eiyoka/

② 便が運ばれない状態

 

(蠕動運動の低下)

腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)の低下が原因となることが多いです。

画像2.jpgつまり、腸が正常に動かず、便がうまく運ばれない状態です。

これには、運動不足やストレス、または慢性疾患が影響することがあります。特に高齢者や寝たきりの方に多く見られます。

この状態を改善するには、適度な運動が推奨されます。

また、ストレス管理も大切です。リラックスする時間を持つことや、趣味に没頭することでストレスを軽減できるでしょう。

 

また、パーキンソン病、女性ホルモンの服用、その他の腸の動きを抑えるような薬で腸の運動が阻害されます。

このような状態では、便を軟らかくするような薬だけでは効果が薄いことがあります。

そのため、ついつい下剤(刺激性下剤)に頼りがちになりますが、腸の運動を促進するような薬が必要です。(詳しくはその4でご説明をします)

院長 宮島 伸宜