第79回日本大腸肛門病学会学術集会へ参加
第79回日本大腸肛門病学会学術集会に参加しました.
2024年11月29日、30日の2日間にわたって パシフィコ横浜 会議センターで第79回日本大腸肛門病学会学術集会が開催されました。日本大腸肛門病学会は大腸肛門病にたずさわる外科、内科、肛門科の医師達が一堂に会して科の垣根を越えて討論を行う学会で、非常に長い歴史があり、松島病院にとって、最重要と位置づける学会です。
今回、東邦大学の船橋公彦教授が会長として開催され、当院の松島小百合が副会長を務めました。 学会には肛門科の医師全員が参加し、多くの司会、座長、発表を行いました。 以下にその概要をお示しします。
【宮島 伸宜】
司会:理事長講演
日本大腸肛門病学会の板橋理事長が現状報告と今後の展望について発表。
【岡本 康介】
司会:ワークショップ3 クローン病に合併する痔瘻の診断と治療
1.クローン病疑診例や非確定例の痔瘻の治療方針の検討
2.肛門初発クローン病の診断と治療戦略
3.肛門病変合併クローン病における治療効果指標
4.Crohn病合併痔瘻に対するseton法の長期成績
5.当院における生物学的製剤併用によるCrohn病合併痔瘻に対する手術
6.クローン病患者に対する痔瘻手術後の治療と臨床経過
7.クローン病に合併する痔瘻の治療ー痔瘻根治手術の検討も含めてー
8.クローン病、肛門部瘻孔に対するダルバドストロセルの経験
9.クローン病の肛門部瘻孔に対するダルバドストロセルの治療成績についての検討
9題の発表があり、クローン病合併痔瘻の診断の難しさが明らかになりました。治療方法についての討論も行われましたが、治癒には時間を要するとの発表でした。ダルバドストロセル(アロフィセル)という新しい幹細胞由来の再生医療等製品や、ヒト体性幹細胞加工製品は適応に制限がありますが比較的良好な成績を出しています。
当院でもアロフィセルによる治療を行っています。
演者:ビデオパネルディスカッション1 III型、IV型痔瘻に対する手術
(演題名)III型、IV型痔瘻に対する肛門括約筋温存手術の工夫
【下島 裕寬】
演者:教育講演5 エキスパートに聞く、痔瘻の治療
(演題名)難治性痔瘻への対応
演者:ランチョンセミナー12 痔瘻に対する肛門機能温存術(FPOT)
当院で痔瘻に対して施行している肛門機能温存術であるFPOTの適応、手技、成績についてランチョンセミナーで講演しました.
【國場 幸均】
座長:主題関連演題5 横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術手技
1.横行結腸癌に対する腸管授動と術前血管把握を行った適切な血管処理
2.臓器横断的視点による左側横行結腸癌に対するリンパ節郭清手技
3.横行結腸癌に対するロボット支援手術の工夫
4.尾側アプローチによる腹腔鏡下高校結腸癌手術の治療成績
5.横行結腸間膜を膵前筋膜と膵後筋膜に挟まれた構造物と認識すれば脾弯曲横行結腸癌の手術操作は簡略化される
6.横行結腸癌に対する手術の定型化の取り組みと成績
6題の横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術の手術手技についての発表があり、当院の國場幸均が座長を担当しました。
【松村 奈緒美】
演者:ビデオパネルディスカッション
直腸脱に対する経肛門的アプローチの適応と限界
(演題名)当院における直腸脱に対する経肛門的手技の現状
演者:ランチョンセミナー2
便秘の診断と治療のヒント~大腸肛門病センターの現場から~
(演題名)便秘の診断と治療のヒント~大腸肛門病センターの現場から~
【河野 洋一】
座長:ポスター10-1 良性疾患 痔核
ポスターセッションの座長を担当。
演者:ビデオパネルディスカッション5 IIL型痔瘻の再分類と治療戦略
(演題名)IIL型痔瘻の再分類と治療戦略
【紅谷 鮎美】
座長:ポスター22-1 肛門3
ポスターセッションの座長を担当しました。
演者:ワークショップ3:クローン病に合併する痔瘻の診断と治療
(演題名)クローン病疑診例や非確定例の痔瘻の治療方針の検討
演者:一般演題(口演)25 直腸脱2
(演題名)腹腔鏡下直腸固定術の導入にあたり当院で行っている工夫とこだわり
【酒井 悠】
演者:ビデオワークショップ1 痔核の治療困難例に対する手術
(演題名)当院における嵌頓痔核に対する早期手術の手術手技・治療成績
【松島 小百合】
演者:特別企画1 女性医師のキャリアアップ支援
(演題名)肛門科医の立場から
【米本 昇平】
演者:要望演題19 肛門疾患に対する治療の工夫
(演題名)当院における脊髄損傷患者の痔核に対する治療成績
【鈴木 佳透】
演者:要望演題14:便失禁の診断と治療
(演題名)直腸重積の Oxford Rectal Prolapse Grade分類と排便障害の関連
【佐井 佳世】
演者:ポスター15-2 大腸 その他3
(演題名)直腸アニサキス症の1例
【小林 清典】
司会:ワークショップ1 大腸腫瘍に対する最適な内視鏡的切除術の選択
1.当院における20mm以上30mm以下の大腸腫瘍に対するunderwater EMRの治療成績
2. 大腸腫瘍に対するポケット法を併用したUnderwater ESD:従来法より優れているか?
3. 大腸内視鏡的粘膜剥離術における2種類のハサミ型ナイフの有効性:広報指摘比較研究
4. 十分なVM確保を目的とした径20-29mmの大腸cT1b癌に対するhybrid ESDの有用性
5.直腸T1b癌に対する最適な局所切除法-PAEMとESDの比較検討-
6.虫垂開口部の表在型腫瘍に対する大腸LECSを含む当院の治療戦略
7.肛門扁平上皮内病変の内視鏡的特徴に関する検討
7演題の発表があり、当院の内視鏡センター長である小林清典が司会を担当しました。