2024.12.25
第1回 直腸脱、直腸重積、直腸瘤の新しい治療 その4(腹腔鏡下直腸固定術)
第1回 直腸脱、直腸重積、直腸瘤の新しい治療 について最終回となります。
今回は 腹腔鏡下直腸固定手術についてお話をさせていただきます。
腹腔鏡下直腸固定術
方法
お腹に5mmの創を3カ所、12mmの創を2カ所つけ、創からお腹の中にカメラを挿入してモニターを見ながら直腸の周りを剥離して吊り上げ、仙骨の前の骨膜に固定する方法です。
固定の方法にはメッシュを使う方法、直接縫う方法がありますが、当院ではメッシュを用いることなく直腸を仙骨前の骨膜に固定します。すべて吸収性のものを用いますので身体の中に異物が残ることはありません。
当院では直腸の運動を制御する神経はすべて温存しながら剥離は十分に行うので、直腸重積や直腸瘤に対しても対処できます。
メリット
再発率が非常に低いことが報告されています。全身麻酔が必要で手術時間は約2時間を要しますが、出血量は少ないことが特徴です。直腸重積や直腸瘤に対しても有効な手術方法です。
入院期間は約10日間です。
※紹介した方法はごく一部となります。
直腸脱、直腸重積、直腸瘤にはいくつかの治療方法がありますので、当院では脱出の状態や検査結果をお示しして患者様に最良の治療方法をご提案、ご相談して参ります。
院長 宮島 伸宣