2024.12.25

by 院長

第1回  直腸脱、直腸重積、直腸瘤の新しい治療               その3(治療方法)

前回からに引き続き今回は、直腸脱、直腸重積、直腸瘤の治療方法についてお話をしていきます。

治療方法

経肛門的手術(おしりからの手術)

肛門から行う手術は腰椎麻酔で可能なため、侵襲は少ないといえます。しかし、仙骨と直腸の固定が弱い場合などでは腹腔鏡下手術に比べて再発率が高いことが報告されています。また、直腸重積や直腸瘤がある場合には症状を緩和することができません。ご高齢や、基礎疾患のために全身麻酔が危険な場合に適応となります。

1.Gant-Miwa法(ガントー三輪法)

脱出した直腸を絞り染めのように粘膜を縫って縮めて行く方法です。肛門の筋肉が弱い場合には肛門周囲の皮膚の下にテープを巻いて肛門を締める手術(Thiersch ティルシュ手術)と併用します。

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2.Delorme法(デロルメ法)

脱出した直腸の粘膜を切除して、提灯をたたむように肛門縁と直腸を縫う方法です。

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いずれも30分から1時間の手術で入院期間は10日間程度です。

今回は以上となります。

次回は、最終回 腹腔鏡下直腸固定術についてお話をさせていただきます。

院長 宮島 伸宜