24.大腸炎の原因と治療法

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排便と腸の病気との関連の続きです。 大腸炎は、様々な要因で起こります。ウィルスや細菌、寄生虫などによって起こるもの、放射線や薬によって引き起こされるもの、血流異常によって起こるもの、原因不明なものなどがあり、原因によって治療法が変わります。

大腸炎では、多くの場合で下痢を伴います。細菌など炎症の直接原因になるものや、炎症反応で生じた異物や物質を洗い流し身体の外に排出しようとする働きが強まるためで、肺炎や気管支炎の時にタンが増えるのも同じ理由です。ですから、そういう場合では、下痢やタンは無理に止めてはいけないんです。 タンのない咳や、腸が動きすぎる場baikin_genki.png合の下痢ではそれを止める咳止めや下痢止めの薬を使います。

でも、炎症の原因や不要物質があるのにそれが出ていくのを止めてしまったら、治るものも治らない訳なので、そうすると、その大腸炎の原因をはっきりさせることが大切です。
排便の回数が1日に5回以上になるほどの下痢となると、一時的なものではウィルス性がよく見られます。冬に特によくみられるロタウィルスやノロウィルスが代表的です。ノロウィルスは何年か前にかなり流行って話題になったのでご存知の方も多いかもしれませんね。
ウィルスですから直接効くような薬はなくて、脱水に注意しながら体力の回復を待ちます。稀に、老人などで抵抗力が落ちていると生命の危険を生じます。

ugai_woman_garagara.pngですから第一は予防で、手洗いとうがい。インフルエンザと同じように考えて下さればいいでしょう。 細菌性ですと、やはり一時大きな話題になったO-157や、そこまで毒性は強くなくはない病原菌感染(食中毒など)があります。細菌だから抗生剤がいいかと言えばそうとも限らず、一部の病原菌では、菌が死ぬと中の毒素が出てきてかえって症状が悪化したりします。

ですから、病原菌を身体の外に早く追い出してしまうことが一番なんです。 ちなみに、抗生剤を飲むと腸の中の悪玉菌、善玉菌ともに減ってしまいます。しかし、腸の正常な細菌叢が崩れると普段なら増えることのない細菌が増えて腸炎をおこすこともあります。

そもそも善玉菌がいないと身体の抵抗力は著しく低下するため、いろんな病気を引き起す元にもなるのです。 また、薬剤そのものによる腸炎もありますから、お腹をこわして病院にかかるような場合は、飲んでいる薬があれば必ず申告して下さいね。