2020.11.23
16.レクトシールの治療方法
レクトシールは、直腸と膣の間な壁が弱くて、便を出そうと息むと、その壁がたわんで便がはまりこんでつかえてしまい、出しにくくなる状態という話までしました。
実はこの「壁の弱さ」そのものは、女性の多く(過半数)にみられる状態で、子供でも報告があるくらいです。ただ、この「壁の弱さ」が問題になるのは、
- 便が固いとき
- 肛門が開きにくいとき
便が固いから、壁を強く押す形になるため、そのたわんだ壁のところに便がひっかかる。
つまり、レクトシールがあっても、便が軟らかい人はそれに気付かないんですね。
また、肛門が大きく開けば多少ひっかかっても出せる訳で、これも便秘症状が現れにくい訳です。 ですから、レクトシールの治療の第一は、いかに便を軟らかくするかにかかってきます。
前からお話している自分の努力で排便がうまくいけばそれがベストです。
でも、そもそもそれが難しくて息む、息むから壁が押される、押されるから壁が余計にたわみやすくなる...という悪循環を繰り返している訳です。
そうすると、治療には多くの場合「軟便剤(緩下剤)」が使われることになります。一番よく処方されるのは酸化マグネシウムという薬で、便の中の水分を保つ作用があります。
腸を刺激する下剤と違い、腸を無理矢理動かすわけではないから腹痛が起こりにくく、習慣性もありません。