12.過敏性腸症候群

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腸を正しく動かすには身体をリラックス状態にすることが大切。このことは、弛緩性便秘の人にもですが、痙攣性排便異常の人にはさらに大きな意味をもってきます。

09.「弛緩性(しかんせい)便秘」と、「痙攣性(けいれんせい)便秘」で、痙攣性便秘とは、腸が後ろから前へ順番に動くという働きがおかしくなってバラバラに動くため、中の便がまっすぐ前へ進まずに行ったり来たりして、排便がうまく前へいかない状態という話をしましたが、この「腸を正しく順番に動かす」という仕事をしているのが副交感神経(リラックス神経)なんです。

ストレス優位の状態になると、腸の規則的で大きな動き「蠕動運動」がうまく起こらず、バラバラに動きます。 そのため、便が腸の中を行ったり来たりして、コロコロの兎の糞のようになったり、かと思うと急に動きが強まって一気に水のような便までが押し流されるような下痢になったりすると考えられています。virus_fukutsuu_woman.png

さらにそれが続くと、前に進めない便が腸にたまり、腸のあちこちが便によって過度に刺激され、腸が痙攣するような変な動きになっていきます。大きく押し出すような動き(蠕動運動)がおこりにくくなるため、ちょっとずつしか便が直腸へおりてこなくて、何度もトイレにいかないといけなかったりする。 また、ガスもなかなか前へいかないため、いつもお腹がはり、気分が悪くなる。さらにそれが続くと急にお腹が強く動いて下痢になってしまう。

排便があると少しお腹がラクにはなるんですが、腸の異常がないのにこのような状態が一年のうちにある程度の期間を占めている、というのを「過敏性腸症候群」と呼びます。下痢型、便秘型、便秘と下痢交代型とありますが、要は表現型が違うだけ。規則的で大きな大腸の動き「蠕動運動」がうまく起こりにくくなっている、という状態を総称するのが「過敏性腸症候群」と考えられる訳ですね。