2020.10.19

11.「大腸の蠕動運動を促す反応」を高める

前回、下剤の怖さに関してかなり詳しく話しました。

下剤は飲まない方がいいのは分かったけど、じゃあ現実この便秘はどうしたらいいの?と思いますよね。
あなたの便秘が「弛緩性便秘」であるなら、腸を動かすにはまず、腸の中から刺激する「不溶性食物繊維」をたくさん摂るのが第一という話までは前回しました。

これ以外には、「大腸の蠕動運動を促す反応」を高めることも大切です。元々人間には、「ご飯を食べると腸が動く」という神経反応があります。これを「胃・結腸反射」といい、一日のいつでも起こりますが、この反射が一番強く大きく起こるのが朝である、ということが分かっています。ですから、便秘の人は、朝食をしっかり食べるということがとても大切なのです。

また、この反射を高めるためによく勧められるのが「冷たい飲み物を、朝コップ一杯飲む」という方法です。 便を軟らかくしたければ水をたくさん摂ることが大切と勧めましたが、お腹を動かす目的で飲むこの場合は、必ずしも「水」にこだわらなくてもいいかもしれませんね。stress_woman.png

もうひとつ、腸が良く動く条件として、身体がリラックス状態にあることが挙げられます。

身体は、緊張状態にあると、何があってもすぐに対処できるよう血液を脳や筋肉にまわします。このため、消化吸収するお腹への血流は減少するのです。逆に、リラックス状態にあると、エネルギーを得るために消化吸収の働き高めるようお腹への血流が増え、腸が良く動くようになります。 緊張するとお腹が痛くなって下痢をしたり、ストレスがたまっていると逆に便秘になったりといったことは誰しもが経験したことがあるでしょう。 土日だけは良い排便なのに、平日はずっと下痢か便秘、またはコロコロ便、という人も珍しくはありません。

ですから身体をリラックスした状態にもっていくことは、排便にとってとても大切なこと。 夜はちゃんと寝て、朝ちゃんと起きて、朝ごはんをしっかり食べて適度に運動し、ストレスを溜めない。これが、排便を良くする究極の方法かもしれません。本当にそれができれば、の話ですけれど 。