2020.08.31

05.「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」とは?

ところで、食物繊維と一口に言っても、vegetable.png
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分けられます。

水溶性食物繊維
植物の細胞内にある貯蔵物質や分泌物で、水に溶け、食品の水分を抱き込んでゲル化(ゼリーのような状態)します。
このため、人体に好ましくない物質の吸収を妨げ、便として排出させるなどします。


不溶性食物繊維
植物の細胞壁の構造物質が中心となっていて、水に溶けず、水分を吸収して膨れます(イメージとしてはふえるわかめちゃん)。
このため、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を盛んにし、食物の残りかすなどを速やかに体外に排出してくれます。

要するに、便の体積(量)を増やしたい、または腸を動かしたいなら「不溶性食物繊維」を、便を軟らかく(ゼリー状に)したいと思ったら「水溶性食物繊維」を摂る必要があるということですね。


では具体的に、どんな人がどっちの繊維を意識して摂るべきなのでしょうか?

「腸が動かない(弛緩性)タイプの便秘」の場合
便の回数が少ない・お腹があまり動かない(ごろごろ言わない)・年をとってからの便秘(蠕動運動する回数が減った)の人は、「不溶性食物繊維」をたくさん摂ると、便の体積が増え、腸が刺激されて動きやすくなります。

「腸が変な動きをする(痙攣性)タイプの便秘」の場合
おなかはごろごろいっているのに便がおりてこない。いつもコロコロ便・便秘と下痢を交互にする。

環境の変化(思春期、進学・就職、結婚など)が便秘のきっかけになったというタイプの人は「水溶性食物繊維」を多く摂りましょう。
※このタイプの人が「不溶性食物繊維」を多く摂ると、腸が刺激されすぎて、かえって腸管の大きな運動(蠕動運動)がおこりにくくなり、コロコロ便が促進されることがあります。