痔はおじさんの病気?
だいぶ前ですが、インターネットで、「どうして肛門科に行けないの?」というアンケートを行ったことがあります。
恥ずかしいとか、診察が痛いんじゃないかと不安とか、いろいろなご意見がありましたが、その中に。
「痔じゃないかと親に相談したら、痔はオジサンのなる病気だから、嫁入り前の娘が痔になんかなるはずはない、と言われた」という女子高生の書き込みがありました。
あるアンケートによると、「OLの4割は、自分は痔だと思ったことがある」のだそうです。実際、うちの病院の新患の約1?2割は30歳以下ですし、男女はほぼ同数。10代女子、全然珍しくないですよ。
私はもう10年位「おしりだって風邪をひく!?」というブログを書いています。だれだって風邪をひくことがあるように、どんな人のおしりも悪くなることがあります。
ただ、風邪をひくのはたいてい理由があるでしょう?不摂生とか、冷えだとか、疲れとか睡眠不足とか。同じように、おしりが悪くなるにはたいてい理由があるはず。便秘・下痢とか、不規則な生活だとか、冷えだとかね。
ちなみに初期治療もほぼ同じ。まずは暖かくして、規則正しい生活をする。市販の薬を使ってみるのも決して悪くはないです。
でも。
風邪も治らなければ病院に行きますよね。こじらせれば大変なことになることもあるし、風邪だと思ってたら違う病気だった、ということもあるわけだしね(ここまで書いてきて実感。ホントに風邪と痔って似てる)。
おんなじ、です。自分なりにまず対処してみて、それで良くならなかったら病院に行くこと。早ければ早いほど良いです。痔瘻なんかの場合、拡がってからでは治療が大変になりますし。いぼ痔切れ痔だって、初期なら薬で改善するものが進行すれば手術になる。何より、通常の治療で治らないということはそれは痔ではなく、もっと違う病気のことだって考えられる。
というわけで、当院の目標は、「風邪と同じくらい気軽に行ける肛門科」です。ま、難しいのはよく分かっているんですけどもね(^^)