おしりの病気
粉瘤(ふんりゅう)
疾患の概略
皮膚の良性腫瘍の一つです。皮膚は表皮、真皮、皮下組織から出来ていて、皮下組織にある角質、脂質などの老廃物が溜まって袋状に膨らんだしこりです。
症状と特徴
周囲との境界のはっきりしたしこりを触れます。表面は正常の皮膚で、中心部に黒い点状の毛穴が見られることがあります。通常は痛み、かゆみなどはなく放置していても差し支えありませんが、自然に小さくなることはありません。細菌の感染を起こすと膿がたまり赤くなり、痛み、腫れます。破れて膿が出ることがあります。皮膚の体質により色々な場所に複数個できる場合もあります。
治療方法
炎症を繰り返す時には、手術で治す事ができます。局所麻酔下で嚢胞壁ごと腫瘤を切除します。肛門周囲の粉瘤の場合は、痔瘻との鑑別のために経肛門超音波検査を行います。細菌が感染した時は抗生剤の治療や切開排膿が必要です。その後炎症が無くなったら改めて袋を切除します。
予防
これといった予防法はありません。脂っこいものを控えると良いなどと言われることもありますが、皮膚の体質による差によることが多く、一度できると自然治癒は難しいといわれています。