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2022/02/16
乳酸菌と腸のおはなし
●乳酸菌とはなんでしょう
乳酸菌とひとくちでいっても、ひとつのものではありません。多くの報道やコマーシャルなどで「乳酸菌〇〇株」といっているように、炭水化物などの糖を利用して、発酵によって乳酸を作り出す細菌の総称を「乳酸菌」といいます。腸の中にはもともと存在している細菌ですが、自然界にも多く存在しています。
●素朴なギモン 乳酸菌とビフィズス菌はちがうもの?
乳酸菌もビフィズス菌も腸内の善玉菌としてとても有名ですが、本当は異なる菌です。どちらも腸内に棲息していて乳酸を作り出します。しかし、乳酸菌は一部の発酵食品や乳製品などにも生息しているのに対してビフィズス菌は主に腸内のみで生息しています。ほかには、ビフィズス菌は乳酸のほかに酢酸を作り出したり酸素があると生きていけないという特徴があります。
●乳酸菌は腸でなにをしているのか
乳酸菌は乳酸を生成して腸内を酸性に傾けます。腸内が酸性に傾くと、からだに有害な物質や悪玉菌の繁殖をおさえることができます。さらに、ビタミン類の酸性や免疫活性が高まるなどの役割があります。
お腹の中には約1000兆個も細菌がいます。健康な人なら善玉菌が20%、悪玉菌が10%、残りが日和見菌です。善玉菌の代表が乳酸菌とビフィズス菌です。
●乳酸菌を含む食べ物
味噌、醤油、お酢、キムチ、納豆、チーズなどの発酵食品、乳酸菌が入ったヨーグルトなど乳酸菌だけを食べていても十分ではなくて、悪玉菌を減らす役割があったり、善玉菌のエサとなる食べ物をとることが大事です。
それはズバリ、「食物繊維」です。
食物繊維と乳酸菌をとることで、乳酸菌を含む善玉菌が増えて腸内の環境が整います!
●生きた乳酸菌と死んだ乳酸菌
乳酸菌を食べると、多くは胃酸や胆汁酸で死滅します。しかし一部が生きて腸に到達すると腸で乳酸を排出ます。また、乳酸菌は生きた菌も死んだ菌も善玉菌のエサになり、善玉菌を増やします。つまり、死んだ乳酸菌も腸内環境をよくするという点ではムダにはなりません。死んだ乳酸菌でも小腸で免疫機能を増強させることが知られています。
●それでは、乳酸菌はどれくらい食べればいいの?
食品ですのでどれくらい食べれば良いかという基準は設定されていません。
生きた乳酸菌も死んだ乳酸菌もいつまでも腸に留まっているわけではありません。数日後には排出されてしまいます。だからこそ、1回食べるだけでは効果は期待できず、継続して摂取することが大切です。日本では厚生労働省の「特定保健用食品」で乳酸菌を関与成分とする食品の第1号として発売されたヨーグルトでは、140億個の乳酸菌が入っています。
●おわりに
乳酸菌だけを食べているだけではおなかの環境は整いません。「食物繊維」などもバランス良く食べて善玉菌を増やし、良い腸内環境と排便習慣をつくるようにしましょう。
参考データ(一部):タカナシ乳業